研究について
1.臨床研究について
膠原病リウマチアレルギー内科では、筑波大学、茨城発の新たなエビデンスの創出を目指し、様々な臨床研究を積極的に行っています。また世界規模、全国規模の臨床研究、疫学研究にも参加し、膠原病診療をめぐるクリニカルクエスチョン、アンメットメディカルニーズの解決に取り組んでいます。
1)筑波大学、茨城発の新たなエビデンスの創出を目指した臨床研究
- 手専用コンパクトMRI、関節エコーを用いた関節炎の診断、疾患活動性評価、治療効果判定
- 膠原病合併妊娠と児の予後の検討
- 関節リウマチならびにその他膠原病診療における治療と合併症に関する研究
- 生物学的製剤使用関節リウマチ患者の呼吸器病変の検討
2)世界規模、全国規模の臨床研究、疫学研究
- リウマチ・膠原病における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)レジストリ”Rheumatology COVID-19 Registry”を利用した多施設共同観察研究
- 自己免疫疾患における患者レジストリを包含した難病プラットフォーム体制の構築と、それを利活用した長期にわたる全国規模の多施設共同研究
- 患者レジストリを利用したIgG4関連疾患の診断基準ならびに治療指針の確立を目指す研究
- PLEASURE-J研究(診断時40歳以下の発症早期のSLE患者(診断後1年以内)を対象とした多施設共同前向きコホート研究)
2.膠原病疾患に関する研究について
膠原病リウマチアレルギー内科では、膠原病各疾患の病態解明、および新規診断マーカーや治療方法の開発を目的とした様々な研究を実施しています。研究の詳細は、以下より確認することができます。
3.現在実施している臨床情報・臨床検体を用いた研究に関するお知らせ
膠原病リウマチアレルギー内科では、倫理委員会の承認のもとで患者様の臨床情報や臨床検体を用いた研究を行っています。研究の対象となる患者様に研究情報の通知・公開がなされた上で、拒否できる機会を保障することをオプトアウトと言い、一部の研究をオプトアウトの手法で行っています(下記)。これらの研究への協力を希望されない場合は、文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。
1) COVID-19流行期前後におけるANCA関連血管炎の臨床像に関するコホート研究
2) 関節リウマチならびにその他膠原病診療における治療と合併症に関する研究
3) 関節リウマチにおけるシトルリン化タンパク質の関与と自己免疫応答制御機構の解析
4) 日本における関節リウマチ患者の現状と問題点を全国的に継続的に明らかにするための共同臨床研究
5) 膠原病類縁疾患患者検体を用いた新規バイオマーカーおよび治療標的分子探索に関する研究
6) 全身性エリテマトーデスおよび類縁疾患(関節リウマチ、多発性 筋炎・皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、シェーグレン症候 群、成人スティル病、血管炎、 強直性脊椎炎、ベーチェット病、 気 管支喘息およびこれらを合併する重複症候群)関連遺伝子に関する 研究
7) シェーグレン症候群の診断におけるブルーフィルターを用いたフルオレセイン染色評価の精度検証のための多機関共同研究
8) IgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究
4.研究業績について
1)最近の研究業績について
- 古山琴菜さんの研究成果が、Clinical Experimental Immunologyにacceptされました。
転写因子RORγtを発現した制御性T細胞サブセットであるTr17細胞が、自己免疫性関節炎モデルにおいて炎症期の関節局所に浸潤し、関節炎を鎮静化させることを明らかにしました。
- 清水優先生の研究成果が、Scientific Reportにacceptされました。
関節リウマチ症例ではCD4陽性T細胞の機能異常が知られ、T-betをマスター転写因子とするTh1細胞が減少し、RORγtをマスター転写因子とするTh17細胞が増加するが、その分子生物学的機構は未解明でした。CD4陽性T細胞に発現する生理的に発現するT-betはRORγt発現・機能を抑制することで、Th17細胞分化抑制を介し、関節炎原生Th17細胞発生を抑制する事で、関節炎を制御する事を解明しました。
- 本田文香先生の研究成果が、Arthritis Research and Therapyにacceptされました。
CCL8は病変局所への細胞浸潤、ERKリン酸化経路を介したcollagen産生誘導に関わり、CCL8 (ヒトCCL18のマウスにおけるfunctional analog)-CCR8経路はIgG4関連疾患の新規治療標的となる可能性が示唆されました。
- 大山綾子先生の研究成果が、International Journal of Molecular Scienceにacceptされました。
ペプチドGPI誘導関節炎の関節組織において特異的なNETosis発現を認め、抗IL-6受容体抗体の投与によりその減弱および血中のシトルリン化蛋白の低下傾向を認めました。
2)研究業績一覧
膠原病リウマチアレルギー内科の研究業績については、以下の一覧から確認できます。
5.ジャーナルクラブ
膠原病リウマチアレルギー内科では毎週1回ジャーナルクラブを実施しています。ジャーナルクラブで紹介した論文は以下から確認できます。