筑波大学

研究- RESEARCH -

IgG4関連疾患に関する研究

1.IgG4関連疾患とは

 IgG4関連疾患は、血清IgG4の上昇と全身の諸臓器の腫大、IgG4陽性形質細胞の浸潤と線維化を特徴とする疾患です。ステロイドが効果的ですが、減量や中止による再燃が臨床的に多く経験され、病態・病因に基づいた疾患特異的な治療戦略の構築が課題です。

2.IgG4関連疾患に関する研究

1) IgG4関連疾患とシェーグレン症候群の比較による病態解明

 IgG4関連疾患、シェーグレン症候群は共に涙腺炎、唾液腺炎を呈しますが、自己抗体のプロファイル、ステロイドの反応性は異なり、似て非なる疾患と考えられています。当研究室ではこれら2つの疾患を対比しながら解析することにより、疾患特異的な病因病態の解明、そして新規治療標的の開発を目指し研究を進めています。

図

参考文献

  1. Tsuboi H et al. Arthritis Res. Ther.14(4):R171, 2012
  2. Tsuboi H et al. Arthritis Rheum 66(10):2892-9, 2014
  3. Tsuboi H et al. Mod Rheumatol 30(1):7-16, 2020

2) IgG4関連疾患の動物モデルを用いたケモカインCCL8の病態への関与

 IgG4関連疾患類似病態を呈するマウスとして報告されているLAT Y136Fノックインマウス(LATマウス)に対して、上記検討からIgG4関連疾患との関連が示唆されたCCL18のfunctional analogであるCCL8に対する中和抗体(抗CCL8中和抗体)を投与すると、LATマウスの唾液腺炎は改善を認め、新規治療標的となる可能性が示唆されており、更なる解析を進めています。

コントロール抗体
抗CCL8中和抗体
抗CCL8中和抗体

LATマウス唾液腺のHE染色

参考文献

  1. Honda F et al. Arthritis Res Ther, 23(1):214, 2021

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